中居正広さんの反論が問うていること…「性暴力」報道は正しかったのか?
中居氏にとって、今回の報道がもたらす影響は極めて重大です。「性暴力」という強い表現が社会に広まれば、たとえ法的責任が確定していない段階であっても、名誉や職業的信用に深刻な打撃を与えるおそれがあります。このような報道は、単なる情報提供の域を超えて、人格権を侵害する危険すら伴います。
このような報道姿勢は、中居氏の件に限らず、芸能人の不倫や交友関係など、私生活を執拗にセンセーショナルに扱う報道全般にも通じる問題です。社会的関心を装いながら、実際には公共性に乏しい話題で視聴率や売り上げを追求するような報道が常態化しており、その過程で当事者の名誉や尊厳が深く傷つけられている現実があります。報道という名のもとに行われる過剰な暴露や「見せ物化」は、もはや倫理的な問題にとどまらず、法的観点からも見直しが求められるべき状況です。
こうした問題を放置すれば、報道の信頼性そのものが損なわれかねません。表現の自由は憲法21条により保障された重要な権利ですが、それに伴う社会的責任もまた極めて重大です。今こそ、報道のあり方そのものを社会全体で見つめ直すべき時期に来ているのではないでしょうか。