参院選に挑んだ精神科医・和田秀樹さんが明かす選挙の裏側…「政策を取り上げてもらえなかったのが残念!」
10種類もの薬を出す国は日本だけ
──政策とは医療費に関することでしたね。
私たちが掲げたスローガンが「薬を減らして手取りを増やす」。日本の国民医療費が年間だいたい50兆円。その1割から2割がムダなお金と思っています。5兆から10兆円の国民医療費を減らすことができれば、同じ分の税金や健康保険料を減らせる。するとみなさんの手取りが増える、という政策です。
どこの政党も「手取りを増やす」と言いますが、財源がないのに手取りを増やした場合は最終的に赤字国債を出すなり増税したりになってしまう。ムダな薬とムダな検査を減らすことでお金をつくった方が財源になる。さらに国民の健康にも寄与するんです。
そのための方法論は2つ。まず臓器別診療を総合診療に変えること。前者だといくつかの臓器に悪いところが見つかれば一つ一つに薬が出される。だけど、年を取るほどに各臓器は衰えていくわけですから、検査での数値に異常は出やすいんです。なのに、臓器ごと数値に応じて薬を出していたら平気で10種類くらいになっちゃう。10種類もの薬を出す国は日本以外にどこにもないですよ。
一方、総合診療は人間の全体を見るので、10の薬を飲んでいる患者さんを診たら、「さすがに10個は体に悪いね」と薬を減らしてくれる役割もある。だから、臓器別診療を総合診療に変えるだけで相当の医療費が削減できると。
もうひとつが「ちゃんとした研究に基づいて薬を出す」という当たり前のこと。日本だと血圧が140を超えると薬が出ます。しかし、その数値は大規模な調査によるのではなく、偉い大先生の思い込みなんですね。
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