著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

血糖値の下げ過ぎは早死にする…高齢者には過度の糖質制限は禁物

公開日: 更新日:

 前回は、行き過ぎた減塩食によって、意識障害の原因になる低ナトリウム血症が引き起こされる可能性について紹介しました。低ナトリウム血症になると、意識障害のほか吐き気や倦怠感、疲労感、頭痛、筋肉のけいれんなど、高齢者にありふれた症状が現れますから侮ってはいけないと思います。

 さて今回は、血糖値についてです。糖尿病で血糖値を下げようと、糖質を制限した食事改善に取り組んでいる人は少なくないでしょう。糖質制限とは、その名の通り米やパン、麺類、果物、スイーツなど糖質を多く含む食品をカットする食事法です。これを続けると、血糖値は下がりやすく、ダイエット効果もあるでしょう。

 しかし、高齢者は塩分制限と同じで、糖質についても行き過ぎた制限は禁物です。脳がエネルギー源として利用できるのは、ブドウ糖のみ。とても重要な栄養素であるブドウ糖は、糖質を分解して得られますから、糖質が不足すると、頭がぼんやりして、脳の働きが阻害されます。

 ブドウ糖をエネルギー源とするのは、筋肉も同じです。高齢者が糖質制限を過度に行うと、筋肉が落ちて足腰が弱くなります。それでつまずいて骨折したりすると、しばらく動けなくなってよけいに筋力が低下する悪循環に。過度な糖質制限は、筋力維持との関係においてもよくありません。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択