JR貨物「株式上場」の野望…成長投資の目玉はレールゲート
将来の株式上場を“野望”に掲げる日本貨物鉄道(JR貨物)が事業基盤強化に向けて積極投資に乗りだす。
大型物流施設の建設や老朽設備の更新などに、2021年度からの10年間で総額4020億円を投資。19年度までの過去10年間と比べて倍増させる方針だ。
4020億円のうち2250億円は老朽化した施設や機材の維持・更新に充当。残り1770億円を新規事業など成長投資に振り向ける。
成長投資の目玉となりそうなのが「レールゲート」の全国展開だ。貨物駅構内で複数の企業がテナントとして入居できる物流施設で、今年2月に東京貨物ターミナル駅に第1号物件が竣工。22年にはその隣接地と札幌にも建設するほか、今後、仙台、横浜、大阪などでも施設を整備する。鉄道貨物輸送にはこれまで荷主が貨物駅構内にそれぞれ個別の物流施設を持つ必要があり、「利便性が問われていた」(関係者)。