三共食品 中村俊之社長<1>加工食品のほとんどに自社商品が
日本の「食」を支える企業といって差し支えないだろう。インスタント食品などに欠かせないエキスやスープ、乾燥野菜などの<調味料事業>と、外食・中食・給食産業向けの業務用食品を扱う<外食事業>を包括的に展開する「三共食品」。
「自動車に例えるならネジのようなパーツ。使われる量は少ないですが、スーパーにある加工食品のほとんどに我が社の商品が使われているはずです」
分かりやすく言うと、カップ麺なら中に入っている「カヤク」の乾燥野菜や粉末スープなどを作っている。
本社は愛知県豊橋市。食品科学系の技術者だった父・中村俊策(故人)が、1975年に創業した。
「豊橋は野菜の生産が盛んな場所で、乾燥野菜などの原料が手に入りやすかったそうです。今でこそ海外原料がメインですが、当時はキャベツを丸で仕入れて自社内で乾燥させるなんてことをやっていたそうです」
中村が入社したのは1996年、24歳の時。当時は地元の食品卸会社に籍を置き、その食品卸会社が経営する飲食店の店長をしていた。