レジ変更だけで数十万円負担…軽減税率で8万店が消失する
「増税から半年過ぎたころから、小売業の倒産件数は増えました。今回は、消費税率が10%へ引き上げられるだけでなく、軽減税率の適用もあるので、レジなどのシステム費用負担が増加しかねません。中小・零細の小売業の経営を直撃する恐れは高まっています」
経産省の商業統計(14年)によると、日本の小売業の事業所数は約78万だ。百貨店や総合スーパーは全体の0.2%に過ぎず、コンビニを含む「その他の飲食料品小売業」は13.7%。地方で懸命に営業を続ける個人商店は多いが、軽減税率に伴うレジ変更の費用をひねり出せるかどうか。
「マイナンバー導入でIT系の人材は大忙しです。増税に伴うシステム変更に回せる人材は少なく、その分、レジ対応の費用は高騰するでしょう。小売店の負担は予想以上に重たくなる。全国78万のうち、1割程度が深刻な打撃を受けてもおかしくないと思っています」(友田信男氏)
その数、約8万だ。夜逃げ、廃業、倒産……。今年11月まで倒産件数は8カ月連続で前年同月を下回ったが、円安倒産、チャイナリスク倒産などは増加傾向にある。そこに“軽減税率倒産”が加われば、アベノミクスなど簡単にふっ飛ぶ。