地方選連敗 国民の意思表示にゴマカシ政権は反省の色なし
かつて見たことのないくらい穏やかな口調ではあった。24、25両日に開かれた衆参予算委員会の閉会中審査。安倍首相はかんで含めるような説明に努めたが、結局はうわべを取り繕うのみ。話の内容はとんでもなかった。とりわけ聞いた瞬間にウソだと思ったのが、加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは「今年1月20日」という答弁だ。
加計学園は獣医学部の新設について愛媛・今治市と手を組み、2007年から実に15回にわたって「特区として規制緩和を」と国に願い出たが、ことごとく断られてきた。加計学園の理事長は、安倍首相が自ら「30年来の腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏だ。安倍首相は加計氏と昨年だけでも7回、第2次政権の発足以来、20回近くも会食やゴルフを共にしていた。
常識で考えれば「腹心の友」と呼ぶ人物と、これだけ頻繁に顔を合わせながら、15回もトライした「野望」について、ひと言も話題に上らなかったとは考えにくい。野党議員にこの件で過去の答弁との矛盾を突かれても、安倍首相は「知りうる立場にあったが、知らなかった」などとデタラメな答弁で、あくまでシラを切りとおした。