ザギングアイ症候群…不定愁訴の原因は加齢で起こる「斜視」かもしれない
めまいや頭痛、眼精疲労といった不定愁訴がある場合、もしかしたら「斜視」が関係しているかもしれない。軽い斜視は見た目ではわからず、視力検査や緑内障、白内障検査など、一般的に受ける眼科検査では見つけられないから厄介だ。
斜視とは、片方の目は正面を向いているのに、もう片方の目は外側や内側、上や下にずれている状態をいう。この斜視の一種で、新しい病気の概念として2009年に米国の眼科医DemerとRutarによって報告されたのが「サギングアイ症候群」だ。Demer医師のもとでサギングアイ症候群に関して研鑽を積んだ国際医療福祉大学医学部教授の後関利明医師が言う。
「斜視には生まれつきの先天性と、生まれてから何らかの原因で起こる後天性があり、サギングアイ症候群は後天性の斜視になります。加齢によってリスクが高くなり、40歳代から少しずつ見られ始め、60歳代以降に急増します」
サギングアイ症候群の「サギング(sagging)」は「たるみ」という意味。直訳すると「たるみ目症候群」となる。