著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【参鶏湯】夏バテ防止に役立ち自然免疫も強化…血流も改善

公開日: 更新日:

 参鶏湯は高麗人参(参)と若鶏(鶏)を用いた韓国の伝統的な薬膳スープです。

 鶏の腹に、もち米、なつめ、栗、ニンニクなどを詰め、じっくりと煮込むことで栄養が溶け出したスープが生まれるのですが、その起源は三国時代(4世紀ごろ)にさかのぼるともいわれています。

 特に朝鮮王朝時代には「補身湯」という強壮料理の一種として貴族の間で発展しました。

 記録によると、仁祖王が病弱な王妃のために「黃鶏湯」を献じさせた例があり、当時から薬膳料理としての地位が確立されていたことがわかります。また、陰暦の最も暑い時期である「三伏」の日には、暑気払いと体力回復を目的にこの料理を食べる習慣が現在も続いています。

 主材料である鶏肉は脂質が少なく、消化吸収にも優れているため、疲れている時に適した食材です。

 さらに、皮や骨からはコラーゲンやペプチド、タウリンなどが煮汁に溶け出し、抗炎症作用や肝機能保護に関与することが報告されています。


 また、高麗人参に含まれるジンセノサイドは、免疫機能の調節、抗酸化作用、抗疲労作用、血糖降下作用など多様な生理活性を持つことが、数多くのヒト臨床試験や動物実験で確認されています。2021年には高麗人参摂取群でNK細胞の活性上昇に伴う自然免疫の強化も明らかになっています。

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