(32)代わってくれる人はいない…私がやるしかない

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 母の入居先となる有料老人ホームの候補を、紹介業者に選んでもらっている間、地域包括支援センターから特別養護老人ホーム(特養=介護老人福祉施設)についての説明を受けた。特養は比較的費用が抑えられ、長期的な入所を前提とした公的施設だ。ただし原則として、要介護3以上でなければ申し込みができない。空きも少なく、入所には時間がかかるのが通例とされていた。

 母は現在、要介護2と認定されており、申し込み対象外だ。しかし、事前に仮申し込みをしておくことが可能だということだった(自治体により違いがある)。母が将来、要介護3以上と再認定された際に、申し込み済みの記録があると順番待ちの順位に有利に働く可能性があるというのだ。

 とはいえ、母がいつ要介護3以上になるのかは不明だ。私は家族に介護認定が下りるという事態を初めて経験したばかりで、制度の仕組みも判断基準もよくわかっていなかった。父の死後の整理もまだ終わっておらず、同時に自身の仕事面でも、新しい取引先との打ち合わせや会議、取材、執筆など、やるべきことが立て込んでいた。

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