しっかり回復するリハビリ病院に優秀な看護師が必要なのはなぜか
回復期リハビリ病院で、直接患者さんとリハビリを進めていくのは、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、理学療法士(PT)といったセラピストです。1日24時間のうち、3~9回に分けて計3時間のリハビリ治療をそれぞれ担当します。それ以外の残った21時間の管理を行うのは、主に「看護師」の役割です。攻めのリハビリチームの一員として、起床から夕食後までの12時間を徹底離床する最も大切な存在なのです。
当院において看護師は、再発予防や全身管理といった患者さんの療養上の看護はもちろん、病状や回復の具合、家族との関係などさまざまな情報を担当ソーシャルワーカーと連携して取りまとめます。その上で、セラピストや医師とも情報共有してチーム医療を行うことを重視しています。
たとえば、理学療法士や作業療法士がリハビリ訓練を行っている時はしっかり動けていた患者さんも、実際に病棟で生活している場面ではうまく動けない……といったケースは少なくありません。患者さんと1対1でリハビリ訓練をしているセラピストは「できている」と思い込んでいても、実際にはできていないとなると、残りの21時間の繰り返し学習で回復することができません。その結果、その後のリハビリ計画に支障が出てしまいます。ですから、その患者さんはリハビリ訓練の時だけでなく、病棟でも動けているのか、普段から患者さんといちばん長く接している担当看護師を核とした看護ケアの評価が重要なのです。