ダルビッシュが今季メジャー初登板、復帰へ第一歩刻むも…来春WBC出場は一縷の望み
侍ジャパンの井端監督も気が気じゃないだろう。
右ひじ炎症で開幕から負傷者リスト入りしていたパドレスのダルビッシュ有(38)が日本時間8日のダイヤモンドバックス戦で復帰。4回途中2失点で、直球の最速は154キロをマーク。MLB公式サイトが「目まぐるしく変化する8種類もの球種を駆使し、打線を翻弄した」とたたえた。
「ひじのことでちょっと、スライダーを諦めなければいけないかもしれないことに直面したこともあった。投げられたのはよかった」
こう言ってリハビリ期間中の苦悩を吐露したダルは、来春WBCでの侍ジャパン入りが大いに期待されている一人だ。
日本が優勝した2023年は大谷翔平(エンゼルス=当時)らとともにグラウンド内外で貢献。メジャー選手で唯一、宮崎合宿初日から参加し、選手に投球術や変化球をレクチャーするなどサポート役を買って出た。自身が蓄えたメジャーリーガーの対戦データを提供するなど、戦略面でも大きな支えになった。
とはいえ、当の本人は来春のWBC参戦に関してトーンは高くない。パドレスとの6年契約の3年目の今季は、開幕から長期間のリハビリを強いられたうえ、チームが打倒ドジャースを果たすために不可欠なピース。いくら衰え知らずといっても、今年8月には39歳を迎える。開幕直前の重要な時期にWBCに参戦するリスクは小さくないはずだ。
今年1月、日本ハム時代に同僚だった杉谷拳士氏のYouTube番組に出演した際、「もう無理だよ。(合宿先の)宮崎着いているころには疲れてる」と苦笑いを浮かべていた。日本代表に貢献したい気持ちはあっても、簡単に出ますとは言えないのが実情だ。