賃上げ、人手不足、トランプ関税の“トリプルパンチ”で倒産ラッシュが加速…年間1万件突破も視野に
石破首相が目指す「楽しい日本」の兆しは一向に見えてこない。暗礁に乗り上げた日米関税交渉が日本経済にさらに暗い影を落としそうだ。
東京商工リサーチは8日、今年1~6月の上半期で全国の倒産件数(負債額1000万円以上)が前年同期比1.1%増の4990件に上ったと発表。
上半期としては2014年(5073件)以来、11年ぶりの高水準に達した。件数は4年連続で前年同期を上回っている。
■人手不足が倒産理由のトップ
負債1億円未満の小規模倒産が約8割に上り、過去30年で最高だった。倒産理由は「人手不足」が顕著で、上半期としては過去最多の172件。賃上げできなければ従業員の待遇改善につながらず、人手不足に陥る。かといって無理に賃上げしても、人件費が経営を圧迫する。こうして経営体力の乏しい中小・零細事業者が次々と倒産の憂き目に遭うのだ。
帝国データバンク(TDB)が8日発表した倒産集計でも、上半期の件数は前年同期比2.4%増の5003件と、13年以来12年ぶりに5000件を超えた。業種別ではサービス業が最多1329件。次いで小売業が1078件、建設業が986件だった。