「今日も事件が起きませんよう。」朝倉宏景著
「今日も事件が起きませんよう。」朝倉宏景著
基輝は、父が創業した警備会社で人事部次長として働いている。6年前、基輝が23歳のとき、社員が顧客から預かっていた3億円を金庫室から盗み出す事件が発生。その対応に追われた父は心臓発作で帰らぬ人となり、兄の光輝が社長を引き継いだ。
しかし、基輝は父とは異なる光輝の経営方針が気に入らない。光輝は、父がこれまで認めてこなかった警察権力の会社への介入を積極的に受け入れ、元警察官の塩浜を顧問に迎え入れる。さらに、光輝は塩浜から頼まれ、彼の次男・英次をコネ入社させると知り、基輝は憤る。英次はかつて半グレの一員で、2年前に傷害事件を起こして保護観察処分が明けたばかりで、ほかの警備会社ならば決して雇わない人物だった。
警備会社を舞台に描くハートフルストーリー。
(講談社 1045円)