高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

麻生副総理がまた 「武装難民」与太話が繰り返される理由

公開日:

 麻生太郎副総理が23日の講演で、北朝鮮有事となれば10万人単位の武装難民が船に乗って押し寄せ、新潟、山形、青森に間違いなく漂着するので、警察で対応できなければ自衛隊が防衛出動して射殺することも真剣に考えた方がいいという趣旨の発言をした。

 難民が武装していると頭から決め込んで、救助より先に射殺を考えるという発想が狂気の沙汰であるけれども、彼がこういうことを口にしたのは初めてではなく、なんと10年前、第1次安倍内閣の外相だった07年1月7日の会見で「北朝鮮崩壊で10万~15万人の難民が日本に上陸し、しかも武装難民の可能性が極めて高い」と発言していた。

 当時から私はこれを「錯乱」と批判してきた。第1に、北朝鮮が国家崩壊して大量の難民が発生したとして、彼らは海を越えて日本に押し寄せることはなく、鴨緑江・豆満江を歩いて渡って中国東北地方に逃げる。同地方には150万人を超える朝鮮族が居住する。第2に、国家崩壊ということはすでに戦争状態になっているはずで、その時に敵国である韓国や日本に向かうという発想が湧くとは考えられない。第3に、仮に湧いたとしても、北には10万~15万人を乗せるだけの船がない。第4に、それでも来たとして、その人たちは命からがら救済を求めて来るのであり、武装して日本人に危害を加えようとする理由が見当たらない……。

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