柳澤協二氏<緊急寄稿>米朝首脳合意は「世界史的な」分岐点

公開日:  更新日:

元内閣官房副長官補 安全保障担当

 6月12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談は世界中でテレビ中継されたが、事情通の間では、「中身がない」とか、「北朝鮮に譲歩し過ぎ」という批判がある。

 両首脳の合意は、アメリカが北朝鮮の体制を保証し、北朝鮮が完全な非核化を約束するものの、アメリカが求めてきたCVID(完全、検証可能、不可逆的な核放棄)の原則に照らせば、検証や不可逆性について全く言及がない。そこで、また北朝鮮に騙されるのではないか、という疑念があるためだ。

 しかし、枝葉を切り落として物事の幹を見れば、敵国同士である米朝のトップが、敵対関係の解消を目指し、その象徴として核放棄と体制保証という相互が最も欲するものを目標として共有した意義はやはり大きい。

 第1に、核放棄と体制保証の実現は交渉のゴールであって入り口ではないという当たり前のことを確認した。目標はあくまで核放棄であって、CVIDはそのための手順であるはずだ。手順が目標を押しのけてはいけない。今回の首脳会談がプレーアップされた以上、どちらもこのプロセスから降りられない。むしろ、核放棄に向けた今後の交渉そのものが「検証可能で不可逆的に」ならざるを得なくなったことを意味している。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    5億円の攻防へ 阪神「台湾の三冠王」王柏融獲得は苦戦必至

  2. 2

    桜田大臣に“助っ人”を雇い…安倍首相は海外逃亡の血税浪費

  3. 3

    森友問題の反省ナシ…昭恵夫人が公然と野党批判の“妄言”

  4. 4

    中日・根尾“14歳の冬”の悔恨と決意 野球一本に至る原体験

  5. 5

    メジャー目指す菊池雄星 金銭以外の“希望条件”が明らかに

  6. 6

    自粛期間終了? NEWS手越祐也が“六本木に再び出没”情報

  7. 7

    毒づきがアダに…和田アキ子"平成ラスト紅白"落選は当然か

  8. 8

    巨人が"第3捕手"と"右の代打"に年俸1.5億円ずつは本当か

  9. 9

    ムロツヨシは実はモテ男 「イケメンに見えてくる」の声も

  10. 10

    中田翔は3年10億円 破格契約の裏に日ハムの“イメージ戦略”

もっと見る