「なぜ、てんかんの人は自由に生きられないのか?」福智寿彦著

公開日: 更新日:

「なぜ、てんかんの人は自由に生きられないのか?」福智寿彦著

 発作が抑えられていても、薬が効いていても、「社会の中で生きること」が難しい──。

 てんかんとともに生きる多くの人が直面しているのは、病気そのものだけではありません。周囲の偏見、家族の過剰な心配、そして「自分にはできない」と思い込んでしまう気持ち。

 本書が問いかけるのは、そうした“見えない壁”の正体です。

 著者の福智寿彦医師は、てんかん診療の現場で長年、患者一人ひとりの人生に向き合ってきました。その中で強く感じてきたのは、「発作を止めること」だけでは、人は自由になれないという現実です。

 本書は、「発作があるかどうか」だけでは測れない、てんかんとともに生きる人の現実に光を当てた一冊です。

 発作が落ち着いていても、社会に出られない。「危ないから」と可能性を閉ざされてしまう。進学や就労の機会を失い、いつの間にか孤立していく──。

 そうした生きづらさは、なぜ生まれてしまうのでしょうか?

 本書では、当事者の歩みをたどりながら、てんかん患者が直面しやすい「目に見えない壁」の正体を丁寧にひもといていきます。

 てんかん当事者にとっては、「自分の人生を取り戻すためのヒント」を得られる本。家族や支援者にとっては、「守る」から「支える」へ関係を見直すきっかけとなる本。そして医療・福祉関係者にとっては、治療の枠を超えた“リカバリー志向”の支援を考えるための実践書です。「がんばれば何でもできる」と励ます本ではありません。

 見えない壁は、越えられる。その一歩を踏み出すために、本書はあります。

定価:1650円
発行:日刊現代 発売:講談社
2026年3月26日
ISBN 978-4065434567

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    りくりゅう電撃引退も三浦璃来だけ競技継続の「ウルトラC」…ごく身近にも“前例”あり

  2. 2

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?

  3. 3

    小室眞子さん最新写真に「オーラがない」と驚き広がる…「皇族に見えない」と指摘するファンの残念

  4. 4

    エゴイストのような「人間性」がアウト? ドジャース佐々木朗希にトレード説がくすぶり続ける根拠

  5. 5

    小室圭さん家族3人ショットを「ニューヨーク・ポスト」が報道 1億円以上の新居から居住先、子供の性別まで赤裸々に…

  1. 6

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  2. 7

    松重豊がついに引退を示唆し2代目探しに言及…「孤独のグルメ」井之頭五郎を継ぐ有力候補者の実名続々!

  3. 8

    佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れていた

  4. 9

    FIELD OF VIEWボーカル浅岡雄也さん 2002年の解散時は重圧で「うつ状態に」…6年前に再始動

  5. 10

    りくりゅうペア大逆転金メダルを呼んだ“かかあ天下” 木原龍一はリンク内外で三浦璃来を持ち上げていた