溝口敦
著者のコラム一覧
溝口敦ノンフィクション作家、ジャーナリスト

1942年7月5日生まれ。早大政経卒 徳間書店、博報堂勤務を経て、フリージャーリストに。暴力団や闇の世界に深く食い込んだド迫力ルポには定評がある。『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞受賞、日本ジャーナリスト会議賞受賞。『暴力団』(2011年)がベストセラーに。

「カタギになりたかった」路上で神戸山口組幹部射殺の真相

公開日: 更新日:

 11月27日夕方、尼崎の神田南通の路上で神戸山口組・古川恵一幹部(59)が6代目山口組系2代目竹中組元組員・朝比奈久徳(52)に自動小銃で連射され、即死同然に殺された。

 古川幹部は初代古川組・古川雅章組長の長男で、いわばエエとこのボンボンのヤクザだった。15年暮れ、彼に会ったことがあるが、ちょっと頼りなく、ヤクザには珍しい善人性を感じた。

 彼を古くから知る知人が言う。

「神戸山口組の井上邦雄組長に何度も『カタギになりたい。組を辞めさせてほしい』と願い出ていたが、『もう少し居てくれ。あんたに今辞められると、格好がつかない』と引退を認められなかった。引退できていたら、殺されずに済んでいたろう。だけど、当人は早くもカタギになったつもりで尼崎を気ままに動いていた。若い衆も全部いなくなり、いつも単独だった。息子に焼き鳥屋をやらせ、自分も店を手伝い、店内で肉を焼いていた。揚げ句、3度も襲われ、最後には殺されてしまった。ヤクザながら、かわいそうな人です」

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