著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

患者100人のうち4.96人が死亡したスペイン風邪流行の法則

公開日: 更新日:
スペイン風邪に関する1920年の土陽新聞と高知新聞の記事(C)高知新聞社/共同通信イメージズ

 大正7(1918)年からのスペイン風邪の流行について具体的な特徴は不明ながら、ある種の「法則」のようなものを内務省衛生局が列記している。その報告をもとにあえて法則に類する記述を整理してみることにしよう。

①各府県は最初は「交通頻繁なる都市」が発火点である。そこから放射線状… 

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