保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

吉田茂は憲兵隊の電話盗聴や尾行される中、近衛文麿に極秘書簡を送った

公開日: 更新日:
任地に向け出発する新任の吉田茂イタリア大使=1931(昭和6)年2月9日(日本電報通信社撮影)

 昭和15(1940)年の9月ごろから翌16年の初めにかけて、近衛文麿内閣を支える親英米派の要人たちは極めて精力的に動いた。近衛を中心に政治を動かすのが最も天皇の意思に沿っているからというのが理由でもあったが、半面でその戦いは軍部の恫喝や脅迫にいかに耐えていくかという問題でもあっ…

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