著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

出陣学徒壮行会でカメラマンは「悲壮な現実」を伝えようとした

公開日: 更新日:
「女子挺身(ていしん)隊」の若い女性が勤労奉仕で工場などへ大量動員された。航空機製造の軍需工場へも駆り出され、戦闘帽をかぶって旋盤機械を操作する表情にも幼さが残る=1944(昭和19)年6月8日(C)共同通信社

 出陣学徒の壮行会について、80周年を迎えた今、歴史的に次の世代である我々はさしあたり2点の事実を知っておかなければならない。この2点を史実と絡ませることで、私たちは語り継ぐべき歴史が何であるかを確認できるのだ。その2つとは次の点である。

1、出陣学徒の報道を行った言論人の… 

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