野生動物が残したフィールドサインに注意「野生動物の痕跡図鑑」奥山英治著・写真
「野生動物の痕跡図鑑」奥山英治著・写真
例年、冬眠前の秋に騒ぎになる市街地や住宅街へのクマ出没が、今年は冬眠明けの春から始まり、年々その被害は大きくなっているようだ。
野生動物と人間の活動域の境界があいまいになり、釣りや登山、キャンプなどのアウトドアはもちろん、日常生活でも野生動物の存在を知り、注意する必要が増えている。
本書は、より安全に外で遊んだり、暮らしたりするため、フィールドサインの知識と観察力が身につくビジュアル図鑑。
フィールドサインとは、足跡や糞、食痕(エサを食べた跡)をはじめ、ねぐらや爪を研いだ傷、通った跡(獣道)など、生き物が残す痕跡のことだ。
フィールドサインは、通勤や通学路、近所の公園など、身近な場所でもたくさん見つかる。観察してもおおよその答えしか出ないことも多いが、そこがまた面白いという。想像が膨らむからだ。
そんなフィールドサインの読み解き方を実際の写真を用いて、クイズ形式で教えてくれる。例えば、3月、まだ苗も植えられていない更地状の畑に一直線につけられた足跡。観察すると人間でいう手のひらに当たる部分が大きく、指が5本あることが分かった。イヌ、ネコ、タヌキ、キツネは4本だから違う。さらに前脚と後ろ脚では足跡の形がまったく違う。
ほかの写真や、この動物がもともと日本にいたわけではないなど、ヒントを出しながら、最終的に答えは「ハクビシン」であることを導き出す。
ほかにも、東京・奥多摩の小川を渡る橋のガードレールの下にあった細長い糞や沼地にあったこの動物の足跡からたどりつくホンドテンをはじめ、イノシシやニホンザル、ニホンノウサギ、キツネ、タヌキ、そしてツキノワグマまで。14種の動物たちのフィールドサインが学べるタイムリー本。
(つり人社 2200円)



















