【憩室炎】激しい痛みが続き、高熱、血便、嘔吐があればすぐに受診すべし
夏に増えるお腹の病気の2つ目は「憩室炎」です。憩室というのは、大腸の壁の一部がポコッと外側に袋状に飛び出した部分を指します。この袋の中に便がたまり、細菌が繁殖して炎症を起こすと憩室炎になるのです。
憩室炎にははっきりとした季節性があり、最新の研究では、冬に比べて夏に20~30%も増えることがわかってきました。2026年、米国医師会雑誌の外科学専門誌(JAMA Surgery)に掲載された系統的レビューでは、110万人以上の憩室炎の患者さんのデータを解析した結果、冬に最も少なく、夏にピークを迎えることが示されています。
では、なぜ夏に増えるのでしょうか。まだはっきりとわかっていませんが、医学論文で提唱されている主なメカニズムの候補は3つあります。
1つ目は「脱水」です。暑さで汗をかいて水分が失われると、腸の中の水分も減って便が硬くなります。すると排便のときに腸の中の圧力がグッと上がって、その圧が憩室の中に細菌を押し込み、炎症を起こすのではないかと考えられているのです。2つ目は「食事の変化」です。夏は、生の野菜や果物を食べる機会が増えますよね。普段あまり食物繊維をとらない人が急にたくさん食べると、腸の動きが大きく変わって、腸の中の圧力が上がる可能性があります。3つ目は「腸内細菌のバランスの変化」です。季節によって食事や生活が変わると、腸の中の細菌のバランスも少しずつ変わります。その変化が炎症の起こりやすさに影響しているのかもしれないと考えられているのです。


















