「たぶん、恋しい」一穂ミチ著

公開日: 更新日:

「たぶん、恋しい」一穂ミチ著

 合コンで知り合った女性・マリが気になって、彼女の働くショップに客として訪ねた「僕」は、マリに会いたくてお店に行ったことが見破られたのをきっかけに彼女と付き合い始める。マリは飼い猫を優先した生活を送っていたため、お泊まりや夜遅くまでのデートはできなかったが、半年後、ついに彼女が家に誘ってくれる日が来た。ところが、彼女が紹介してくれた飼い猫には予想外の秘密があった……。(「エンパイアライン」)

 2007年「雪よ林檎の香のごとく」でデビューし、22年「スモールワールズ」で吉川英治文学新人賞、24年には「光のとこにいてね」で島清恋愛文学賞と「ツミデミック」で直木賞を受賞した著者による短編小説集。冒頭の「エンパイアライン」のほか、口笛でしかコミュニケーションをとらなくなった認知症の大叔母を描いた「たぶんそんな感じ」など計6編を収録。目の前に存在しないものに心を奪われる気持ちやそれに対する恐れ、他人に理解されにくい本人にとっての切実な悩みやこだわりなど、簡単には表現できない心情を両手でそっとすくうような丁寧さで描いている。

(新潮社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本若菜“シャイニング顔”で奮闘も…「君の好きは無敵」視聴率4.3%からの反撃を阻む“アラ還コンビ”

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    高市首相が長崎被爆者団体に“ガン飛ばし”で大炎上! 会長あいさつ「戦争知らない」に過剰反応?

  4. 4

    消費税減税は内閣支持率V字回復の“起爆剤”にならず…あてが外れた高市自民の大誤算

  5. 5

    真夏の珍事? 共産党が“野党第1党”に大躍進したワケ…潜在読者掘り起こした電子版「赤旗日曜版」

  1. 6

    札幌でクマ出没件数が大幅減少のナゼ? 昨年は秋以降に大量出没したのに

  2. 7

    危うし「高市延命」天王山 “与ゆ党推薦候補”ポンコツ露呈…9.13沖縄県知事選 首相応援要請は見送り

  3. 8

    WEST.重岡大毅の授かり婚の事後報告に“騙された”とファン激怒 あの目黒蓮も…今も難しいアイドルの結婚事情

  4. 9

    NHKの看板報道番組「ニュースウオッチ9」もリオ五輪に浮かれていた

  5. 10

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ