唯一トラックマン未導入でも…勝てる広島の「データ戦略」

公開日: 更新日:

「データだけでは限界がある。内角速球に弱いといっても、球速が5キロ遅ければ打てるかもしれない。試合中、1打席目でカウント0―1から外角やや低めの直球をスイングしてきた場合、次の打席でも同じカウントから外角球を打ってくる、といった打者の反応はバッテリーやベンチが目で見て判断するしかない」

 メジャーでは、球場全体を撮影して選手の動きを追跡する「トラキャブ」をトラックマンと組み合わせた「スタットキャスト」で打者の打球方向や落下地点を分析、守備に生かしている球団もあるが、日本の球場はメジャーに比べてビデオの設置台数が少ないため、スコアラーの目に頼るしかないという。各球団は今、トラックマンデータとは別の独自の情報収集、分析のシステム化に力を入れ始めている。

広島はチーム全体で戦略を立てて戦う。緒方監督自身が朝から優秀なスコアラーと一緒に、相手投手のクイック、クセの研究などに時間を割くなど、念入りな準備をしています。もちろん、いくら対策を立てても実行できる選手がいないと宝の持ち腐れになりますが、その点でも広島の情報戦略や選手の対応力は決して、他球団より劣っているとはいえない」

 とは、前出のスコアラーである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋