著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

テキサス州知事の「ワクチン強制禁止」政策に悩まされる大リーグ

公開日: 更新日:

 例えば、米国の大手銀行は従業員にワクチン接種を受けるよう圧力を強め、小売り最大手ウォルマートは一部の従業員を対象にワクチン接種とマスクの着用を義務付けている。

 こうした民間企業にとって、テキサス州の事業所ではワクチンの接種を強制できなくなることは大きな痛手となる。また、接種を強行すれば教職員へのワクチン接種義務付けを連邦高裁が一時的に差し止めたニューヨーク市のように混乱も生じかねない。

 事情は大リーグも同じだ。

「コロナ対策」を徹底したにもかかわらず、シーズンを通して選手の新規感染の事例が絶えなかったことは、現時点で完全な対策の難しさを示す。

 しかも、レンジャーズとアストロズが本拠地を置くテキサス州で知事令の順守を徹底すればどうなるか。大リーグ機構は選手にワクチン接種を指示するものの、両球団に所属する選手が知事令を根拠に接種を拒否する可能性がある。

 ニューヨークの事例のように裁判所の介入を招くとすれば、大リーグ全体の「コロナ対策」が滞り、不徹底なものとなりかねない。機構は現在も繰り返し選手個人や球団に対してワクチン接種の指示を出しているし、マイナーリーグの選手に対しては接種が強制されることになる。

 それだけに今後、機構にとってはワクチン接種を基礎とする対策をどこまで徹底できるか、あるいはテキサス州に追随する州が現れないか、悩みは尽きない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網