著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

青柳?西?それとも…阪神が抱える「エースは誰なのか」問題

公開日: 更新日:

 今年の阪神の戦力を見ると、いくつか気になる問題にぶちあたる。まずは投手陣。エースはいったい誰なんだろう。

 そもそも阪神投手陣は全般的に優れている。昨年もチーム防御率はリーグ2位。先発投手に絞っても、13勝で最多勝のタイトルを獲得した青柳晃洋のほか、秋山拓巳、伊藤将司の3人が2ケタ勝利をマークした。さらにガンケルが9勝を挙げ、西勇輝は6勝止まりだったが、規定投球回数をクリアしての防御率3点台と数字上はそこまで大不振だったわけではない。

 普通に考えたら、通算101勝を誇る西が実績的にもバリュー的にもエースの称号にふさわしく、マスコミもそう扱うことが多いわけだが、昨年に青柳が最多勝を取ってしまったから、ややこしくなった。なにしろ、投手タイトルの中でも特に花形の最多勝である。阪神の長い歴史の中でもメッセンジャー、井川慶、下柳剛、小林繁、江夏豊、村山実、バッキー、若林忠志の8人しか獲得しておらず、西はもちろん、あの300勝投手・小山正明ですら阪神時代には取っていないほどの、偉大な勲章を変則右腕・青柳が手に入れたのだ。

 ここに昨年の西の不振が重なり、しかも青柳は西とちがって生え抜きであるため、これからはマスコミも「エース・青柳」と書くことが多くなると思いきや、意外にそうでもない。最多勝とはいえ13勝という低水準だからか、それとも青柳のキャラ的な問題なのか、どうにも「青柳=阪神の新エース」という印象にはまだなっていない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性