著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米独立リーグで導入された「指名代走」制度は野球の魅力の向上に寄与するか

公開日: 更新日:

 スピード感の向上が観客の集中力を維持し、選手たちに緊迫感をもたらすのが指名代走の目的となっている。

■ピッチクロック、ベース拡大、極端なシフト禁止、ロボット審判に続き…

 19年に大リーグと提携して以来、アトランティック・リーグは新しい試みの実験の場として活用されてきた。ベースの拡大や守備位置の制限はこれまでアトランティック・リーグでの実験から始まり、大リーグで取り入れられることになった。

「ロボット審判」も21年にアトランティック・リーグで試行されたのが最初となっている。

 ただし、指名代走については、日本に先例がある。東京とメキシコの2大会連続で五輪日本代表となり、100メートル走などに出場した飯島秀雄(ロッテ・オリオンズ、現在の千葉ロッテマリーンズ)だ。

 1969年から3年間オリオンズに在籍した飯島は、盗塁を40回試み、成功したのは23回で、失敗は17回だった。


「五輪選手からプロ野球へ」「世界最初の指名代走」として注目された飯島ではあったものの、走者がゴールに向かって一斉に走り出す100メートル走と、対戦相手の守備の隙間を突いて次の塁に進む野球とは勝手が違っていたのである。

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