佐々木朗希メジャー2勝目の根底にマイナー落ちの危機感…意固地やめた? 周囲に「ヤバいです」と漏らし
試合前まで10連勝中と、勢いのあるカブス相手に今季初勝利、実に357日ぶりのメジャー2勝目を挙げたのが佐々木朗希(24=ドジャース)だ。
日本時間26日は5回3分の0、99球を投げて7安打4失点。二回に鈴木誠也(31)に先制の4号ソロを浴びるなど、この回から五回まで毎回点を取られながら、大量点は許さなかった。
これまで先発した4試合と比べて、明らかに変わったのはスプリットの球速がアップしたことだ。平均約136.8キロだったのが約146.1キロと9キロ近く上昇した。
スプリットの球速が増したと同時に、制球も改善した。与えた四球は1つだけだった。
「速球に近い球速にすることによって、変化球というより速球に見えるようにしたかった。意図的なもので、コーチたちと取り組んでいた」とはロバーツ監督。
試合後の本人はスプリットについて「きょうはコントロールも良かったですし、カウント球でも使いたかった。スピード感が欲しいということと、ベース盤の上にいかないと振ってもらえないので、コーチと話をして方向性を決めていきました」と言った。
佐々木は投球に関して自分で考え、その通りにやりたいタイプだ。特派員の1人はこういう。
「佐々木はこれまで、コーチの言うことをほとんど聞かなかった。首脳陣のひとりも『彼は話をすると、OKと言うのに、その通りにやらない』とボヤいてましたから」
そんな佐々木が「コーチと話をして方向性を決めた」。その結果、スプリットの球速は上がり、制球も改善され、今季初勝利につながったのだ。
佐々木は現時点で、ドジャースの6人の先発投手のうちのひとり。しかし、左肩のコンディショニング不良で開幕から負傷者リスト入りしているサイ・ヤング賞左腕のスネル(33)が、すでにマイナーの実戦登板を経て、5月下旬の復帰が見込まれている。
大谷翔平(31)、山本由伸(27)、グラスノー(32)の3人は実績や安定度からいってもローテから外せない。となるとロブレスキ(25)、シーハン(26)、佐々木のいずれかが、スネルと入れ替わりで先発から外れるか、マイナーへ降格することになる。
「シーハンはここ2試合で計3失点、ロブレスキは最近3試合で計2失点ですからね。3人のうちで最も不安定なのは佐々木です」と前出の特派員がこう続ける。
例年ならボチボチ離脱してもおかしくない時期だが…
「佐々木の契約にはマイナー落ちやトレードを拒否する条項が含まれていないといいます。そのせいか本人にはかなりの危機感がある。親しい放送関係者には『ヤバいです』と漏らしたと聞きました。昨年、右肩のインピンジメント症候群で負傷者リスト入りした際、マイナーで調整登板したときのことが頭にあるのかもしれません。マイナーはただでさえ環境が劣悪なうえ、3Aのあるオクラホマシティーは田舎町。現地に行った同僚は『牧場が多いせいか、ステーキはうまいけど、一息入れるような場所は皆無に近い。二度と行きたくない』とコボしてましたから」
佐々木は日本で投げていたときから、年間通じてローテーションを守った経験が一度もない。検査をして異常が見つからなくても、「しっくりこない」と言って投げようとしなかったこともあった。「自分のベストのパフォーマンスが出せる状態でなければ、投げたくないのだと思う」と古巣のロッテOBは話していた。
それが今季は先発復帰を目指して、キャンプからフル回転。オープン戦4試合は四球を連発、防御率15.58ととんでもない成績だった。「しっくりこない」と言い出しかねない状況で、「ドジャースは他にも有望株がいるのに、ササキの開幕ローテ入りは不可解」と報じた米メディアもあった。
開幕から5試合に登板して防御率6.35。例年ならボチボチ離脱してもおかしくないタイミングなのに、中5、6日の登板間隔を守って投げ続けている。この日も中5日。これまでの佐々木では考えられない登板間隔だ。
コーチの言うことを聞き入れたのも、これまでなら投げないような状況で投げ続けているのも、マイナー落ちへの危機感があればこそ。崖っぷちに追い詰められ、これまでのスタンスを変えざるを得なくなった末に手にした白星ということだ。
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ようやく精神的な成長の兆しを見せている佐々木だが、日本ではその隣にはいつも母親がいた。メジャー挑戦をさせろとゴネ散らかした2023年のオフもそうだ。いったいあの時、何が起きていたのか。改めて振り返ると佐々木の人物像が見えてくる。 ●関連記事 【もっと読む】ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇 では、それらについて詳しく報じている。


















