著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

お酒をやめれば「肝硬変」は良くなるのか? 3割が改善

公開日: 更新日:

「お酒は適量であれば、健康にも良い効果が見られる」という報告もありますが、飲み過ぎが健康を害することは間違いがありません。とくに深刻なのが肝臓への影響です。

 お酒の飲み過ぎが続けば、「脂肪肝」という状態から、肝臓の細胞が壊れる「肝炎」という状態になり、さらに悪化すると肝臓が硬くなり肝機能が低下した「肝硬変」という状態に進行します。肝硬変になっても、肝機能がある程度保たれた状態であると、特に自覚症状はありません。

 この状態を「代償性肝硬変」と呼んでいます。それがさらに悪化すると、お腹に水がたまったり、食道から出血したり、皮膚が黄色くなる黄疸など、さまざまな症状が出現します。この状態を「非代償性肝硬変」と呼んでいます。

 いったんこの非代償性肝硬変になると、もう改善は見込めないというのが過去の常識でした。しかし最近では、お酒が原因の肝硬変に限っては、完全にお酒を飲まないことにより、肝硬変の状態が改善することが報告され、注目されています。

 今年の肝臓病の専門誌に掲載された論文によると、アルコールによる非代償性肝硬変と診断された患者さんのうち31%が、断酒を継続することによって、5年以内に腹水などの合併症のない代償性の状態(本来の機能が落ちても別の力で帳尻を合わせている状態)に改善したことが確認されました。

「肝硬変は治らない」という過去の常識は、塗り替えられつつあるようです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大苦戦「うたコン」がテレ東音楽祭と昭和歌謡に寄せて復活のノロシ! 矢沢永吉、井上陽水の名曲も次々と…

  2. 2

    Number_i「100億円プロジェクト」始動 矢沢永吉も壁にぶつかった世界進出がいよいよ現実に

  3. 3

    大和ハウスが「新築戸建て住宅」販売を都市圏に集約…もはや地方で売るのが難しくなった背景

  4. 4

    クレイジーケンバンド横山剣さん「五木寛之さんからいただいた歌詞は、すぐにメロディーが思い浮かびました」

  5. 5

    《芸能界ってなぜ『在日』を隠すの?》…中村ゆりさんがルーツを胸に「負けん気」を貫いた44年の生涯

  1. 6

    巨人・戸郷翔征が試合ブチ壊し! 桑田真澄前二軍監督が去り、漂う「万策尽きた感」

  2. 7

    日本ハム助っ人レイエスに「70万ドル請求訴訟」 タティスJr.も敗れた“収入10%契約”の落とし穴

  3. 8

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  4. 9

    巨人ベテラン坂本勇人の評価が爆上がり! 改めてクローズアップされそうな「打撃・守備以外の魅力」

  5. 10

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです