著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任、薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

日本で接種が「義務=強制」なのはどのワクチン?

公開日: 更新日:

 ワクチンの効果がよくわかる例として、現在の日本ではほとんど見なくなった病気が挙げられます。たとえば「小児まひ(ポリオ)」は、ワクチンの普及によって1980年の1例を最後に国内での新たな患者は報告されていません。また「麻疹(はしか)」は、WHO西太平洋地域事務局から2015年に「排除状態」と認定されました。ここでいう“排除”とは国内由来の流行が続いていないという意味で、海外から持ち込まれればそこから流行することも起こり得ます。そのため、ワクチンの定期接種はせっかく減らした病気を再度流行させないための大事な手段となるのです。

 そんな中、ワクチンでよく誤解されるのが「日本で義務(強制)なのはどのワクチンなのか?」という点です。結論から言うと、日本では予防接種法にもとづく「定期接種」として多くのワクチンが公費で受けられますが、現行制度は原則として本人(あるいは保護者)の同意が前提で、法律上は「努力義務」とされています。よって、罰則つきの強制接種という意味の「義務化」ではありません。

 一方で、特に乳幼児の定期接種に関しては母子健康手帳で接種歴を確認されたり、保育園・学校の入園入学時に接種状況の提出を求められたりするため、生活の中では実質的に「必須の手続き」のように感じやすいのも事実です。

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