巨人元オーナー渡辺恒雄氏が死去…記者が見た強烈威光 その瞬間、読売関係者が道路の真ん中で大の字に

公開日: 更新日:

「これから、家に帰って『ごくせん』を見るんだ」

「会社のトップを執拗な取材から守るため、身を挺して追跡する車を止める。そこまでやるか、と戦慄を覚えた」

 とは、行く手を阻まれた民放テレビ局関係者の回想だが、

「別の読売関係者が、待機する我々のバイクの鍵を次々に抜き取って、反対側の街路樹に投げ込むなんてこともありましたね。それだけ、畏怖されていたのでしょう」

 ドラフトを「独禁法違反だ!!」と言い、新リーグ構想をぶち上げた末に、力づくでFA制度や逆指名制度を導入。三顧の礼で迎えたはずの清原和博が不振に陥れば、故障で離脱すると聞いて、「これで勝つ要因が増えた。邪魔をしなければいい」と言い放つ。KKの片割れ、桑田真澄がメジャー挑戦の動きを見せれば、「俺が肩代わりしている17億の借金はどうなるんだ」と暴露する。巨人を利するためだけとしか思えない強引な手法、歯に衣を着せないにもほどがある発言は、野球ファンの神経を逆なですることも多かったが、記者はまた別だった。

 行きつけの和食店での宴席のあとにつかまえれば、「君らも大変だな」とご機嫌でリップサービスもする。担当記者はネタに困れば、渡辺氏を追いかけた。「君らと話をしている時間はない。これから、家に帰って『ごくせん』を見るんだ。仲間由紀恵はいいね。勧善懲悪、胸がすくんだ」。

 “独裁者”には、そんな一面もあった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 2

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ

  3. 3

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  4. 4

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  5. 5

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  1. 6

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  4. 9

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  5. 10

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も