「キャプテンの責務」リチャード・フィリップス著、田口俊樹ほか訳
■海賊の人質になった男
2009年、ソマリア沖で海賊の人質にされた貨物船船長がその体験をつづったドキュメント。
3月末、3カ月の休暇を家族と共に過ごした氏は、アラビア半島に飛び、オマーン南岸の港町サラーラから貨物船マースク・アラバマ号に乗り込む。アデン湾の西端にあるジブチに向かう途中、4人の海賊に乗り込まれ停船。乗組員との絶妙なチームワークで彼らのリーダーを逆に人質にした氏は、海賊一味を救命艇に乗せ、追い返すよう仕向ける。しかし、一味を貨物船から引き離すことには成功したが、氏だけが海賊の人質として救命艇に取り残されてしまう……。
今週末公開の話題の映画の原作。
(早川書房 840円)