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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

公開日: 更新日:

早実初等部vs慶応幼稚舎(6)

 私立小学校最難関の慶応幼稚舎の入試攻略本を見ていると「家族に慶応出身者がいるのなら、願書に記入しておく」といった一文を目にすることがある。願書には父母と兄弟の氏名・年齢を記入する家族の欄があるが、学歴を書く場所は見当たらない。攻略本は、家族欄の横にある備考欄に慶応出身であることを書き加えておけば、受験に有利に働くとアドバイスする。だが、「まったく意味がない」と一笑に付すのは幼稚舎の関係者だ。「こざかしく映り、むしろ逆効果」とまで言い切る。

 誤った説が攻略本に堂々と載るのは、それが巷でずっと信じられてきた表れ。幼稚舎出身の慶応大教授も「かつて、近い親族に慶応OB・OGがいれば、合格しやすかったのは事実」と話す。

「幼稚舎の保護者会に集まるのはほとんどが塾員(慶応OB・OG)で、さながら同窓会のようだと父が語っていた」

石原慎太郎の息子、森英恵氏の孫のパターン

 40年以上前の記憶をたどる教授だが、幼稚舎の生徒の家族に慶応出身者がやたらと目立つ状況は少なくとも四半世紀前までは続いていたようだ。それは親に塾員がいるケースだけではない。幼稚舎に合格しやすいもうひとつのパターンは兄や姉に塾生(慶応の現役生)がいるケース。それが幼稚舎ならなおさらだ。実際、幼稚舎出身の有名人を見ても、兄弟がそろって幼稚舎というパターンは多い。石原慎太郎・元都知事の息子4人のうち次男・良純、三男・宏高、四男・延啓が幼稚舎出身。

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