「抗生物質と人間」山本太郎著

公開日: 更新日:

 抗生物質によって人の平均寿命は飛躍的に延びた。しかし、近年は抗菌薬耐性細菌が原因での死亡が増え続け、2050年には毎年1000万人になるといわれている。最新の科学的知見をもとに、そんな抗生物質の過剰使用が人類にもたらす影響を解説したテキスト。

 抗生物質の誕生から耐性菌出現までの経緯を紹介。その上で過去半世紀に急増した糖尿病肥満、食物アレルギー、喘息、花粉症などの疾病の背後に、抗生物質が引き起こした人の体内に共生する細菌叢のかく乱があることを明らかにする。ヒトの常在細菌が行う生命活動「ヒト・マイクロバイオーム」と抗生物質の関係などから、「ポスト抗生物質時代」の人間と細菌の共生を考える警世の書。

(岩波書店 760円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」