「ダンシング・マザー」内田春菊著
逸子は何度も中絶させられた後、夫に逆らって静子と千津記を産んだ。夫と別れて妻のいる孝と暮らすようになったが、成績のいい静子に期待して「静子は東大に行かす」と言うようになる。
だが、静子が成長すると胸をつかんだりするようになり、逸子と静子を前に「静子はオレが処女を奪ってから嫁に出す!」と言い出した。その後、逸子は静子が辞書で「処女」を調べた形跡があるのに気づく――。
この後の静子の態度次第によっては、静子は私の敵になるのだろうか。そんなことはさせないわ。私が産んでやったんだもの。やがて同級生の子供を身ごもった静子に孝が手を出す。
自分の愛人にレイプされた娘に嫉妬する母親のエゴを描く。
(文藝春秋 1650円+税)