「男と女」の真理を探る本特集

公開日: 更新日:

「男と女の品格。」伊集院静著

 男にとって女は理解不能な存在。永久に分かり合えない生き物だと感じることもある。しかし、それはこっちのセリフだと女も言うだろう。そんな相いれない関係の男と女の間に問題が発生しないワケがない。今回は、男と女の真理を探る5冊を紹介――。

 週刊文春の大人気連載「悩むが花」に掲載された人生相談から選りすぐった、伊集院静流の名言苦言を収録した本書。

 自社の受付嬢を愛人にしたいが、どう攻めるのがよいかと相談する58歳の会社社長には、恋愛の基本は相撲と同じで、押しと突きが大切であるとアドバイス。その一方で、小技を使えば勝負のスケールが小さくなり、大技で返される。大技を女房が放てば、地位も名誉も何もかもなくす恐れがあると、そっと注意することも忘れない。

 普段は真面目でおとなしい夫が、夜中にひとりで暴言を吐く現場を目撃してしまい、自分は何をしてやれるのかと悩む25歳の新妻には、男にはつらいときもあると説明。そして、見ぬふり、聞こえなかったふりを体得することも夫婦には大切であると、愛情の形を優しく説いている。

 他にも、男の本性は失敗することで見えてくる、女をなめてかかると命を取られるなどの至言も満載。

 男と女の流儀を体得するにはもってこいの指南書だ。(文藝春秋 926円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性