「リベラルの敵はリベラルにあり」倉持麟太郎著

公開日: 更新日:

 弁護士の著者は2015年、安倍政権下の安保法制の審議に関わった際に、憲法に象徴されるリベラルな価値への確信を心に秘めて論戦に臨んだ。だが、その思いはあっさりと砕け散った。その体験から「リベラルの敵はリベラルにある」との確信に至ったという。

 なぜなら、リベラルはその初期設定において「合理的で強い」個人を前提にするが、生身の人間は時に不合理な選択もする、説明のつかないはかなさや弱さを内包した存在である。さらにリベラルは自陣のロジックの正しさを、そのロジックが唯一絶対の正解であるかのごとく「上から目線」で語り続けるばかりで、生活者には届かない。

 政治を乗りこなすための羅針盤として、風前のともしびのリベラルな価値観を再生するための論考。

(筑摩書房 1100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一〈55〉仮死状態で生まれた三男、「視聴率30%と交換してくれ」と星空に願ったら…

  2. 2

    北島三郎「90歳の選択」…都内の大豪邸からホテル住まいで前向き生活

  3. 3

    (2)佐藤輝明は阪神から抜け出したかったのか? メジャー挑戦に拍車をかけた“選手管理”への疑念

  4. 4

    日テレ森圭介アナは社労士合格 「news LOG」和久田麻由子アナ、さらなる飛躍を目指せる「資格試験」のススメ

  5. 5

    天地真理デビュー55周年「激変近影」とほほ笑みのウラ…たどり着いた“閉じた世界”の安住とは

  1. 6

    YOASOBIドーム公演は大阪・名古屋・福岡でもチケット売れ残り…「1万4000円で座席ガチャ」の不満とアーティストの切実事情

  2. 7

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  3. 8

    日本ハム「織田翔希ドラ1強行指名」に現実味 メジャー挑戦を揺るがす制度変更が“付け入る隙”に

  4. 9

    (1)忍び寄る“暗黒時代”の足音…リーグ連覇の陰で深刻化した「主砲依存」と極度の育成不全

  5. 10

    まるで高市首相就任の“ご祝儀”箇所付け…地元奈良の選挙区ばかり交付金「最大6.24倍」増額の仰天