「リベラリズムの終わり」萱野稔人著

公開日: 更新日:

 近年、個人の自由を尊重する社会の傾向はより高まる一方で、リベラル(個人の自由を尊重する立場の人たち)への風当たりは強くなっている。本書は、現代社会が直面するリベラリズムの限界について考察した政治哲学入門書。

 リベラリズムは、大きく2つに分けられる。2015年、米国で同性カップルの結婚する権利を認めた連邦最高裁の判決を見て、一夫多妻を認めるよう訴えた男性が現れた。同性カップル婚は認められ、なぜ一夫多妻婚は認められないかを論じながら古典的リベラリズムの限界を論じていく。

 さらにリベラル派への批判の高まりと社会の右傾化の関係を論じながら現代版リベラリズムについても考察するなど、リベラリズムが適用できない現代社会の実情を論じていく。

 (幻冬舎 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?