著者のコラム一覧
柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第一話 倫理的にあり得ない(24)私を調べている目的はなんだ

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 薄闇のなか、車のなかで涼子が貴山からの連絡をじっと待っていると、運転席の横に置いていた携帯が震えた。画面に貴山の文字が表示されている。

「来た?」

 携帯に出ると、涼子は前置きもせずに訊ねた。携帯の向こうで、貴山が答える。

「いま駐車場の入り口を通過しました」… 

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