「弱い者(もん)らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」スージー鈴木著

公開日: 更新日:

「弱い者(もん)らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」スージー鈴木著

 1979年、中1になった「僕」は、欠席した同級生のヤスダの家にプリントを届けに行った。アパートの2階の部屋で、ヤスダは「どん兵衛」を食べていた。テレビはなく、AMラジオから八神純子の「想い出のスクリーン」が流れていた。「俺な、この曲、気に入ってるねん」と言うので、僕はラジオでこの曲をテープに録音してヤスダに渡した。

 翌日からヤスダは学校に来なくなり、夜逃げしたという噂が流れた。1週間後、ヤスダの家に行ったら本棚にテープが残されていた。もしかしてラジカセを持っていなかったのでは……。

 さまざまな曲を背景に、貧困や差別をみつめながら生きる少年を描く。

(ブックマン社 1760円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢