「八月の御所グラウンド」万城目学著

公開日: 更新日:

「八月の御所グラウンド」万城目学著

 高知出身の彼女にフラれた大学4回生の朽木は、四万十川でカヌーをこぐ予定がなくなり、灼熱の京都にいた。

 友人の多聞に頼まれて、御所グラウンドで午前6時から始まる早朝野球に参加することになった。多聞には3万円借りているので断れない。大学の研究室のメンバーなどをかき集め、中国人留学生のシャオさんがグラウンドのベンチの近くにいた「えーちゃん」も誘って、なんとか9人確保した。

 ところが、試合中、ピッチャーの隼人さんの爪が割れるというハプニングが起こる。代わりにえーちゃんが投げることになった。えーちゃんはサイドスローで右投げ左打ち。顔もある投手にそっくりだった。(「表題作」)

 京都のスタジアムを舞台に、スポーツに励む女子高生や大学生の青春を描く小説2編。

(文藝春秋 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…