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野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第17回>大量のレトルトカレー&ご飯を持ち込み撮影に臨んだ

公開日: 更新日:

 パリダカのレースシーンは本物だけあって迫力がある。DVDで見るよりも、大スクリーン、大音響で楽しむ映画だろう。

 この映画はヨーロッパ、アフリカと4カ月の長期ロケが続いた。何よりも大切なのは体調の管理である。主演の高倉健がお腹をこわして休んだら、撮影スケジュールが延びてしまい、予算が足りなくなる。彼はそれをよくわかっていたから、大量のレトルトカレー、レトルトご飯を持ち込み、同じメニューを食べ続けて撮影に臨んだ。

 インタビューでは、こう話していた。

「日本映画では撮影中やロケの食事というと、いつも豚汁とカレーライスなんです。僕なんか『網走番外地』の頃から、もう30年以上も豚汁ばかり食べている。でも、これもひとつの知恵じゃないかな。どちらも食中毒になるようなものは入ってない。

 北海道に来てみたら、カニが安かったから、じゃあカニにしようなんて喜んで、たくさん食べると、とたんにおなかをこわしちゃったりする。カレーと豚汁を食べてれば間違いない。

 ロケへ行くと、水が変わり、食べ物が変わり、寝るところが変わります。けれども俳優はどんなところへ行っても、いつもの自分で、しかも平常心でいなきゃいけない。それには気をつかいます」

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