山村美智さん “ひょうきんアナ”の原点は東京キッド時代

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 80年代に一世を風靡したフジテレビの人気バラエティー「オレたちひょうきん族」の初代ひょうきんアナウンサーとして注目され、同社を退社後は女優として活躍中の山村美智さん(59)。女優の原点はこの人の存在なくして語れない。

「あなた! 女優やりませんか」

 新宿・歌舞伎町の路地裏、私が津田塾大4年生だった78年のある秋晴れの日でした。声の主は当時、演劇界に一大旋風を巻き起こしていた東京キッドブラザースの主宰者・東由多加さんです。その時の様子は今もまぶたに焼き付いてます。私は黒いトレンチコートに赤いキャスケット帽といったいでたち。東京キッドの劇場「シアター365」でチケットを買うため、70~80人ほどの行列に並んでいました。

 そこへフラリと現れたのが東さん。そしてふと横で歩みを止めて私を見たんです。目が合って何だろう? と思っていたら少し首をかしげて、まるでジュリー(沢田研二)が「君だけに愛を」を歌う時と同じ振りで、唐突に私を指さして「あなた~!」とおっしゃった。

 そばにいた秘書の方から手渡されたのは、連絡先の電話番号が書かれたメモ。翌日から、その年の12月に日本武道館で行われた東京キッドの舞台「十二月の夢」の稽古に通うことになりました。4年生の秋ですから就職先は内定していて、三重県の母校、ミッション系高校の英語教師です。それを断ってプロの演劇の世界に飛び込みました。

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