倒産危機救った石原プロ名番頭 小林正彦さんの寂しい晩年
石原プロダクションの元専務で“名番頭”だった小林正彦さん(享年80)が、先月30日に虚血性心不全で死去していた。葬儀は親族のみで2日に行われたという。
「コマサ」の愛称で知られた小林さんは日活撮影所に勤務時代、石原裕次郎さん(享年52)に見いだされ、65年に石原プロに入社。持ち前のバイタリティーと抜群のプロモーション能力で、すぐに頭角を現した。70年代、石原プロが倒産の危機に瀕した時には、「太陽にほえろ!」「大都会」「西部警察」などのテレビドラマに進出し、経営を安定させた。
石原プロ名物の炊き出しでは自ら先頭に立ち肉を焼いたり、年始恒例の新年会などでは、記者たちに食べきれないほどの食事をふるまった。飾らない豪快な性格で、慕うマスコミ関係者は多かった。裕次郎さんからの信頼は絶大で、87年に肝臓がんで亡くなった時も最後の最後まで付き添ったのが小林さんだ。
「渡哲也も頭越しで怒鳴るなど、軍団最大の実力者でした。テレ朝に極太の“ホットライン”を持っていて、ドラマなどのキャスティングを行っていた。経営危機がウワサされた時も、おカネの工面をしたのが小林さんです。“汚れ仕事”などもこなす、まさに石原プロの屋台骨を支えていました」(民放プロデューサー)