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破天荒さ消えた海老蔵 十八番の「助六」から迫力も消えた

 まさに舞台にいるだけで、「助六を演じている」のではなく、「助六を生きている」ようだった。それは演劇のあるべき姿とは違っているのかもしれないが、それこそが近代演劇とは異なる次元で成立する、「傾奇者」として始まった歌舞伎の魅力だと思わせる。スター主義の演劇でなければ成り立たないものが、海老蔵の助六にはある。

 揚巻は女形の役者にとってのひとつの目標の役で、雀右衛門はようやくそれを射止めた。先代の雀右衛門は團十郎・海老蔵2代の揚巻をつとめたので、その継承も見どころ。だが、たまたま私が見た日(7日)がそうだっただけかもしれないが、海老蔵から破天荒さが消え、全体にテンションが低かった。

「助六」の前の「けいせい浜真砂」は、坂田藤十郎の舞台へ立ちたいという執念しかない恐ろしい芝居だったが、そういう迫力が「助六」の舞台からは感じられなかったのだ。それでも十分に楽しめるが、こんなもんじゃないだろうと思いながら歌舞伎座を出た。

 なお、別の日に行った知人は「すごい助六だった」と言っている。
(作家・中川右介)

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