37年間封印 岸田敏志が語る「菊姫」大吟醸にまつわる秘話

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 テーマはその頃、1升2万円ほどした大吟醸酒について。大正時代の終わり頃に建てられた由緒ある木造本社で、社長さんからグラスにそのお酒をついでいただきながら話を伺っていたら、「先週、セゾングループ総帥の堤清二社長(故人、当時)の秘書の方から『購入したい』と電話依頼があったんです」と切り出されたんです。

「所用で石川県に来て小松空港から東京に戻るが、堤が『どうしても飲んでみたい』と言っている。手配がつきませんか」――こんな申し出だったそうです。

■蔵元に残っていた、わずか1本をめぐって……

 その少し前、西武百貨店が主催した日本酒フェアでその大吟醸酒が特賞を取ったのですが、帰郷直前に、蔵元が石川県にあると耳にされてのことらしく、秘書の方も急いでらした。ところが、新聞やテレビでも紹介されて話題になり、蔵元に残っていたのはわずか1本だけだったんです。

「その1本を堤さんに渡していたら、先約である岸田さんの今日の取材をほごにしてしまう。さすがに迷いました。でも、私はお断りして約束を優先したのです」

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