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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

「俳優・大杉漣」はなぜ多くの人から愛されたのか?

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 そして、なぜ、このような魅力を放つことができたのか。もちろん、演劇、ピンク映画などで培った演技の下地が大きいだろう。それは演技論で解明されるわけもなく、その過程で彼が独自に会得していった何物か、なのに違いない。それを一足早く、見いだしたのが、監督・北野武だといわれている。北野はあるテレビ番組であくまで劇中の話だが、大杉について「(自分が最初に)生かして、(最後は)殺しちゃった」と語っていた。実に恐ろしい言葉である。

 大杉漣――。往年の大スターたちとは違った持ち味で、この時代の人々を深く魅了した。いぶし銀の先をもっと、もっと、見たかった。

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