食の素人が3カ月で放送準備…「テレビって乱暴なんです」

公開日: 更新日:

 番組が始まる前にはスキンヘッドにし、眉毛も剃り落として自分を追い込んだ。

「『とんねるずのハンマープライス』(フジ系)も担当していたんですが、石橋貴明さんからは『タナカケイイチ~、気持ち悪いから眉毛だけは描いてくれねえかな』って言われ、メークさんに描いてもらったりしてました。いまそんなディレクターがいたら暑苦しいだけですが、当時は何かに取りつかれたような感覚で作ってましたね」

 もっとも、視聴率の勝算は「ぜんっぜん、なかった」と振り返る。

「いま以上に向こう見ずで、自分が楽しければいいかって。セットひとつとっても、こんな豪華な玩具をいただいてありがとうございますって喜んでました。当時の深夜番組に求められたのは目立つこと。ゴールデン(19~22時帯)のお試し枠でもなく、とにかくむちゃやってパッと散る。いかに爪痕を残すかってことを考えてましたね」

▽たなか・けいいち 1962年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、「日本テレワーク」入社。92年退社後、フリーの演出家として活動。フジテレビ系「料理の鉄人」「ハンマープライス」やテレビ朝日系「愛のエプロン」などを手がける。14年には「麒麟の舌を持つ男」で小説家デビュー。先月20日には5作目となる「愛を乞う皿」(幻冬舎)を上梓した。

【連載】「料理の鉄人」演出家が語る舞台裏

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?