「サンクチュアリ」犬塚理人著

公開日: 更新日:

「サンクチュアリ」犬塚理人著

 主人公は、入庁5年目にして東京地検の刑事部に配属された若手検事・一色瑞穂。ある日、司法修習生時代の教官である高宮誠一郎に、連続殺人事件で生き残った女性への事情聴取を頼まれる。自殺願望のある女性を狙って殺害していた男が、取り調べの最終段階で自殺幇助しただけだと主張を変えたため、生き残りの女性・谷津佳苗を改めて調べ直すことになったのだ。

 瑞穂は、佳苗のマンション玄関で、つい最近まで星形のシールが貼られていたかのような五角形の跡を見つける。それは、宗教団体サンクチュアリの信者が、住まいに貼ることになっている五芒星のステッカーの形だった。瑞穂が以前付き合っていた宇佐美亮太が、サンクチュアリ信者の親に育てられた宗教2世だったため、マークには見覚えがあったのだ。この聴取を皮切りに、瑞穂は次々巻き起こる事件の第一線に立ち向かっていくのだが……。

 2018年「人間狩り」で第38回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞してデビューした著者による最新作。主人公がひとつひとつの現場での気づきを積み重ねながら、掘り当てる意外な真実に驚かされる。 (講談社 2530円)

【連載】木曜日は夜ふかし本

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「超ド級国民的アイドル」の熱愛はSnow Manの宮舘涼太!「めめじゃなかった…」ファンの悲喜こもごも

  2. 2

    中道・小川淳也代表“オガジュン構文”の破壊力は期待以上? 代表質問で「暮らしを『支えて』」×5回炸裂

  3. 3

    熊谷真実、熊田曜子…当たり前の常識を知らない芸能人の言動が炎上を誘発

  4. 4

    高市独裁政権に立ちはだかる「新・参院のドン」石井準一幹事長の壁

  5. 5

    【ザ・ベストテン】に沢田研二が出られなかった日は桑田佳祐が出てきた日

  1. 6

    高市首相の大誤算!「私の悲願」と豪語の消費税減税に世論「反対」多数の謎解き

  2. 7

    侍Jリリーフ陣崩壊で揺らぐ屋台骨…現場で高まる「平良海馬を再招集すべき」の声

  3. 8

    国民民主の“お嬢さま候補”が運動員買収容疑で逮捕 自爆招いた強すぎる上昇志向と国政進出への執着心

  4. 9

    中井亜美フィーバーに芸能界オファー殺到…CM億超えも見据える「金のタマゴ」のタレント価値は

  5. 10

    宇多田ヒカルが「蕎麦屋」投稿批判に反論も再炎上 旧ジャニファンの“恨み”とユーザーが見過ごせなかった一言